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The Spectrum of Pleiades

創作やゲームについてのアレコレをまったり更新する水月昴のつぶやき集

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Pangaea phase1 part3 

自分の書く小説、活動フィールドを複雑にしすぎるきらいがどうもあるなと思っているのだけれど、
どうもフィールドの構造そのものにギミックを埋め込むのが好きらしい。
読む側への配慮がまったくされなくなるという大きな問題もはらんでいるわけですが。
もうちょっと狭い範囲で凝ったギミックがしかけられればいいんですけどね。
自分にはこれが限界のようです。
そんなわけで今回と次回、バトルフィールドの概観が描かれますが、
この勝負のキーになる手がかり満載なので申し訳ないながら今しばらくお付き合いくださいorz

Category:Pangaea

Pangaea [phase1 -part1-]
Pangaea [phase1 -part2-]
>>Pangaea [phase1 -part3-]
「あぁ、ヒロ、チームは俺とケースケと組んで3人やで。俺らのチームのリーダーは当然お前な」
呼び出されて集合場所に辿り着くと、怜示は開口一番チームリーダーに俺を指名した。
放課後、この胡散臭い関西弁野朗の驚くべき行動力に巻き込まれた犠牲者が
学校の近場にあるAWSセンターに集まり出していた。
本当によく一日でメンバー集まったな……。
いや、まて突っ込みどころはそこじゃない。
俺はまだ勝負すると言ってないはずだが、
何故厳重なSP要員まで揃えて連行する勢いでここまで連れてこられなければならないのか。
SPといっても単に喧嘩に定評があるらしい程度の雑魚生徒だから
まとめて蹴り倒してやってもよかったんだが、
“理紗ちゃんも参加するで!”というヤツの言葉に反応して
なんとなくここまできてしまった俺には、おおっぴらに文句が言えないのが実に苦しいところだった。
現在集合場所に居合わせているのが五人。
言いだしっぺの怜示、犠牲者代表として俺、桂介、後は水月理紗チーム要員として女子が二人。
基本的に人との関わりが少ない俺の事だから、その二人はもちろん初対面だった。
一人は名を西田真衣[ニシダ・マイ]と言い、
ハキハキした仕草とさっぱりとした性格などから活発なイメージがあり、
挫折や苦悩といったものとは無縁なのではないかと思わせる程の明るさで
多くの仲間から信頼されているらしい。
怜示とは大分前から知り合っていて、何かと気が合うため、
しょっちゅうつるんでいたのだと言う。
確かに怜示と似たような雰囲気を感じる節はある。
行動派で人望が厚いところだろうか。
……いや、もっと根底に何かある気がするが……。
ともかくも、怜示が二人になったと考えると
メンバー集めに大して時間がかからなかったのも納得できる。
というよりは、殆ど暴走と呼ぶべきじゃないのか。
「へぇ、キミが噂の天才、燈炎山拓徒君ねぇ」
こいつもそうやって珍しいものを観察するように俺を見るのか。
こういう視線が面倒だからあまり人と関わりを持とうと思えないんだ。
「怜示にも言ったが、俺は別に特別な事をした覚えは無い。
これから来るらしい水月の方が特別なんじゃないか?」
「……あー、話には聞いてたけどキミって本当に素っ気無いんだねぇ。
そんなんじゃ普通の人は近寄ろうにも近寄れないよ?
隠れファン結構多いんだからもう少しくらい愛想良くしないと勿体無いって」
なら、その普通の人が近寄れない俺に対して初対面で堂々と小言を言えるお前は一体何者なんだ。
この辺がやはり怜示みたいだな。
「また奇特な奴がいたもんだな。別に俺自身は勿体無いとは思わないから検討に値しない」
「それはそれで問題アリっしょ! それちょっと病気に近いよ?」
「あー、真衣ちゃん、そいつはアレやアレ、ツンデレ」
受付でAWSセンターの利用登録を済ませてきた怜示が、
そろそろ本気で心配し出した西田をチルアウトさせようという魂胆なのか、
それはそれでどうなんだと思わざるを得ない横槍を入れてきた。
「あーあー、なるほどねっ。新タイプの需要にいち早く応えたスタイルなわけだ」
「納得するな」
こいつらを放置していたらいつか本当にとんでもないデマが流れるような気がしてならない。
「っつーかこいつデレるのか?」
妹の為に自販機まで使いっぱしりされていた桂介は、
帰ってくるなりその場に展開されていた会話の内容に怪訝そうな顔をした。
ちなみに、水月チームのもう一人の女子とは奴の妹である叉鴇絢[サトキ・アヤ]だった。
実はこの場に居合わせるまで、
俺も怜示も奴に妹がいた事は知っていたが実際に会うのは初めてだった。
妹とは言っても双子だから年齢は変わらない。
けれど、あの不死身バカの妹とは思えない程に体格は華奢な感じがする。
長い髪をリボンでくくってツインテールにしている。
落ち着いていて口数が少なく、
あまり人の多いところに近づこうとはしないところを見ると、
自分のペースを乱されるのが嫌いなのだろう。
ここにいる人間が俺と彼女だけだったらどれだけ平和だっただろう。
「ん? 結構デレるやん。気付いてへんの?」
「こいつとアヤがデレるようになったら俺の人生どれだけ平和だったか――げふっ!」
桂介のその言葉に反応して絢が背後から鋭い蹴りをかまし、
少しよろめいた桂介が振り返って睨みつけたときには、
先ほど桂介に自販機まで買いに行かせた缶ジュースを何食わぬ顔をして飲んでいた。
見事だ。
見かけによらず案外強いのかもしれないな。
「チッ……おい、怜示、メンバーまだ揃わねーのか?」
「そろそろ来るはずなんやけどなぁ」
怜示が連絡を取るつもりなのかケータイを覗き込んだ時、
その向こう側から一人の少女が走ってきているのが見えた。
「ん? おい、あれじゃないのか?」
桂介も俺の視線の先にいる少女に気付いたようだ。
「お? おー、そうやそうや! 理紗ちゃん、こっちやこっちー!」
怜示が手を振って声をかけると真っ直ぐこっちに走ってきた。
ここに来るまでに大分走ったのかかなり息を切らせている風だった。
「はぁはぁっ、ご、ごめんなさい、掃除当番で遅くなっちゃった」
「構へんよ、そんな一生懸命走ってこなくても良かったんやで?」
辿り着くなり項垂れたその少女は小柄で、澄んだ青い瞳を持ち、
幻想的なスカイブルーの髪をしていて両サイドに白いリボンが結ばれていた。
「ん? 君は確かあの時……」
今朝俺の目の前でコケて恥ずかしさのあまり走っていってしまった少女そのものだった。
そうか、この子が水月理紗だったのか。
「…え? あ…わわっ、お、思い出さなくていいから!」
俺が声を発したことで、俺の事に気付いた彼女は別の意味で慌てだした。
「なんやなんや、二人とも知り合いやったんか?」
当然ミーハーな怜示は首を突っ込んでくる。
「いや、今朝彼女がコケたところを丁度居合わせただけだ」
「うぅ……」
当の水月はあの時のように顔を赤らめて俯いていた。
「うははっ、なんや理紗ちゃん、天然さんやったんか?」
「私、考え事してると他の事に意識が回らなくなるんだよ。
だからその、天然…とかじゃないと思う……多分……」
それはそれで一種の天然だと思うのは俺だけだろうか。
「まぁ、紹介する手間が省けたみたいやけど、一応こいつがヒロや」
「あ……初めまして、水月理紗です。よろしくね、ヒロくん」
水月は怜示に振られて、俺に向かって挨拶をするとはにかんだ。
「あぁ、よろしく、水月」
俺がそう返すと彼女は少し複雑そうな顔をした。
「あの…できれば理紗って呼んで欲しい……。
別に水月って名前が嫌いってわけじゃないけど、
あまりそう呼んでほしくなくて。ダメかな……?」
あぁ、なるほど。
彼女ならではのコンプレックスのようだ。
俺にはすぐにピンときた。
「別に。そうして欲しいならそうするさ」
怜示や桂介も名字で呼ぶようなことはないしな。
もっとも、こいつらの場合は理紗のような込み入った事情といったものが問題になった訳ではなくて、
単に二人が俺のことを“ヒロ”と呼ぶから俺だけ名字で呼ぶのは気が引けただけだった。
「あ、デレた」
不意に西田がまるで動物のレアアクションを見たかのような反応をした。
今のやりとりのどの辺がデレなんだ。
「今のはデレてんのか?」
癪だが桂介のその見解については同意だ。
「まぁ、それはいいとして。……なぁ、リサ」
どうも納得がいっていないようだが、奴は仕切り直して神妙な顔をした。
「なに?」
「気分悪くなるのもわかるが、お前自身まで意識し始めれば
本当の意味で“水月”って名は特別になっちまう。
気にすんなってのも無理な話だろうが、あんまりその事で思いつめんな」
「…………」
当の理紗は心底驚いたといった顔で絶句していた。
いや、それは理紗だけではなく、怜示も、そして恐らく俺もそんな顔をしてるんだろう。
あっけに取られてきょとんとしている、いわば鳩が豆鉄砲を食らった様であるというやつだ。
「お、おいヒロ、ケースケの奴が珍しくマトモな事言ってんで」
「本当だな……」
俺と怜示が感嘆の声を上げていると桂介は深くため息をついた。
「悪かったな、珍しくて。どうせ俺はまともじゃねぇよ」
「うぅん、そんなことないよ、ありがとう」
いじけかけた桂介に理紗は穏やかに微笑んでみせた。
それは俺が彼女に会って初めて見た自然体の笑みだった。
彼女の緊張を解きほぐし、他人を意識しすぎた彼女のあり方を
こうした自然体へと導いたのは間違いなく桂介の言葉だった。
他人事に関しては奴の思考回路も捨てたもんじゃないらしい。
自分自身の事も同じ様に頭使えばそんなに悩むこともないだろうに、
それに気付いてないあたりがやはりバカだった。
「やっぱりケイはバカ」
それまでずっと静かに桂介を見ていた絢が、
穏やかな表情をして誰に聞こえる事もなくぼそりと呟いたのを俺は聞き逃さなかった。
この少女、先ほどから気になってはいたが、良い観察眼を持ってる。
彼女が理紗と組んで敵チームとなると少し厄介なことになりそうだな。

「うし、詳細ルールの説明するで!」
俺らが貸しきったAWS端末の前までくると奴はディスプレイに映像を表示して説明を始めた。
「まず勝利条件やけど、このオブジェクトを相手から奪うか
相手チームの人間全員倒すってことになる」
ディスプレイには煌びやかな光沢を持つ六角形のプレートのようなものが映し出された。
それぞれ“Hiro”と“Risa”の文字が刻まれている。
携帯しやすくするためかプレートに縁取りがしてあって、
そこからベルトのようなものが伸びている。
「こいつはゲーム開始時はそれぞれヒロと理紗ちゃんの腕にかけてある状態になっとるけど、
壊さんかぎり扱いは自由や。壊れた場合は壊した張本人のチームが無条件にリタイアな」
つまりこのオブジェクトはゲーム中ずっと身に着けておく必要はないということだ。
完璧に隠してしまうことができればオブジェクトの駆け引きにあまり気を使う必要はなくなるな。
逆に、身に着けておくメリットもある。
このゲームの勝利条件はオブジェクトの奪取か相手チームの殲滅の2つだけではなく、
オブジェクトを壊した人間が敗北するというのを逆手にとって
“相手にオブジェクトを壊させる”という方法も存在する。
あえて相手の攻撃を利用してオブジェクトを破壊させる事を目的にして考えると、
勝利条件の2つ目である“相手チームの全滅”を狙って
容赦ない攻撃がやってくるであろう自分自身の手にオブジェクトを置いておくことで
一種の盾になるとも言えるわけだ。
こういった手法の恩恵を受けるのは俺のチームというよりは、
戦闘力にあまり期待ができない理紗のチームの方だろう。
「今回使うステージは軍事基地内部の1Fと2Fや」
モニターに表示されたマップは心持ち入り組んでいるように見える。
リラクゼーションルーム・スポーツジム・食堂といった生活圏、訓練場、
倉庫やその他資材室などの物資保管区、監視室や制御室などの事務区画。
生活圏と訓練場は外郭1F、物資保管区と事務区画は2F中央。
「ヒロのチームは訓練場からスタート、理紗ちゃんのチームは生活圏からスタートや。
一応、作戦練る時間としてログインしたらそれぞれのスタート地点から、
一度中央の制御室まで一通りステージを見て回ってもらうことにする。
皆制御室に集まったらスタート地点からゲーム始めるで」
マップを見るだけでも確かに色々考えるべきことは多そうだ。
とりわけ移動手段とそれに課せられたリスクとの駆け引きがネックになりそうだ。
恐らく直接戦闘を始めたらこちらがすぐに勝利するであろうことは、敵陣も理解しているはず。
ならば、直接的に遭遇しないよう前もって策を講じるのが自然だ。
そして、このマップなら連絡系を狙えば上手い事自動的に相手を封殺することもできるかもしれない。
向こうのチーム編成を見ても、頭のキレそうな人間が少なくとも二人揃ってる。
長引けば長引くほど面倒になることは間違いないだろう。
何かを仕掛ける暇を与えずに素早く敵陣の懐に潜り込むのが理想の形といったところか。
「一応チーム人員がバラけて行動することもあるやろうし、
チーム同士の人間にだけ通じる通信機もデフォで使えるようになっとる」
通信機はどうやら相手側へ通信することは不可能らしい。
純粋に相手の情報は未知数のままお互いに干渉し合わなければならない事になる。
リスク・アンド・リターンを常に慎重に考慮する必要があるな。
「んで、AWSの中なら皆それぞれ自分にあった能力が使えるようになるんやけど、
こいつはログインしてみないとわからんようになっとるから入ってからのお楽しみや」
怜示は一通り話し終えるとAWSのコネクションスイッチをONに切り替えて、
AWS内へのアクセスの準備を始めた。
「とりあえず説明することはこれぐらいやと思うけど、他に何か質問とかある奴おる?」
端末を操作する手を一旦止めてこっちに向き直る。
一人、理紗が手を挙げた。
「えっと、ステージ内の備品とかは自由に使って良いの?」
「あぁ、かまへんよ」
ステージの備品……。
理紗は何か見当がついているのか?
ここで考えられるとしたら軍事基地というぐらいだから兵器か。
確かに物資保管区にそれらしきものがあってもおかしくない。
戦闘力の欠如を補おうという魂胆だろうか。
「他なんかあるか?」
今度は挙手がないことを確認すると、一行はAWSのリンクスペースへ向かった。
AWSにはリンクスペースと呼ばれる少し広めのスペースが備え付けられていて、
現実世界に実存するリンクの対象となった物体とAWSシステムとをリンクさせて
AWSへのアクセスを可能にする装置が、そのスペース全体に施されている。
「うし、んじゃ行くで! また後で、制御室で合流な!」
全員がリンクスペースに集まって怜示がスタートさせると、六人はAWSシステム内部へと飛ばされた。

To be continued....
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2011/12/01 Thu. 00:42 | trackback: 0 | comment: 0edit

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